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9/30 慶應大菅原教授講演概要 教養委員会主催

弁護士・慶應義塾大学大学院法務研究科教授 菅原貴与志さんの講演会が開催されました。 <以下講演概要(文責 赤羽)> 弁護士は身近にはなかなかいない存在ではないでしょうか。同級生に医者はいても。日本には弁護士資格を持った人は一万人強。東京に集中しています。以前に青森の五所河原の商工会議所に呼ばれて民事再生法をテーマで講演した時に言われたことは「動いている弁護士を初めてみた」でした。スピーチ直後の質問はありませんでしたが、個別相談は長蛇の列に。質問の内容は、民事再生法はゼロで、お金を持ち逃げされたとか妻ともめている等々の話題ばかり。 ● 弁護士は弁護士法1条を定められて動いています。社会正義と人権擁護の実現に向けて活動しています。法曹界では、裁判官はジェーつまりジャッジ、検事はプロスキュータのピー、弁護士はビーでバリスター。弁護士だけは英国風。弁護士は英国では2種類に分かれています。バリスター(法廷弁護士)は法廷内で活動可能。ソリスター(事務弁護士)は法廷には出られない。米国は弁護士が多いと言われますが日本と状況が違います。人数的には、カリフォルニア1州の弁護士の方が日本の弁護士数より多い。日本の税理士や行政書士の仕事も弁護士が担当。税理士の仕事をする弁護士をタックスロイヤーと言って、ステイタスが高く高収入。ザ・ファームというトムクルーズが主演した映画で彼が演じたのもタックスロイヤー。米国の弁護士は、日本の社会をランド・ウイズアウト・ロイヤーズ、弁護士のいない国と言っています。日本の弁護士の仕事は映画やTVドラマで紹介される犯罪がらみは多くありません。民事が圧倒的に多いのです。現に東京地裁の民事部は40カ部以上、刑事部は16か部程度。もう一つ現実とのギャップ。ヒーローという検事のテレビドラマありましたよね。あのキムタク主演。東京地裁に行くと、キムタクやトムのような美男はおりません。何か理由があって司法試験を受けるのでありまして容姿端麗な人はおりません。容姿端麗なら別の職業についています(笑い)。ドラマの法廷シーンも嘘が結構あります。弁護士が法廷内で歩いて話すことはありません。歩き回っていたら裁判官から具合が悪いのかって思われてしまいます。また、尋問中には、顔に心の内を見せることはありません。終始、喜怒哀楽なしのポーカーフェースです。また、白い虚塔の財前教授で有名ですが、つばが相手にかかるような狭い法廷シーン。実際には法廷は結構広いんです。検事で、キムタクのような革ジャンはいません。検察事務官をあのように扱いません。ぜひ、法廷見学ツアーを東京地裁や弁護士会が実施していますから参加してみてください。東京では弁護士も、専門化が進んでいますが、それは都内だけ。弁護士はバッジが命。でもつけていると電車内でゲンダイは読めないですね。日経になってしまいます。でもバッジあれば、小菅での接見で荷物検査は簡単。地裁に入廷する時に荷物検査はありません。 ●弁護士は一国一城の主ってイメージですが、最近は、大手町近辺に大きな事務所に勤務を希望する司法修習生が増えています。日本に弁護士数が100人を超える規模の事務所は4つあります。そうした大手にばかり就職したがるのは、情けない。司法試験の合否は秋にわかります。春から一年間の研修。そこで裁判官・弁護士・検事の見習い。そして自身の選択で進路を決めます。弁護士として大手事務所に就職する場合、その多くは企業法務関係を担当。初任給は他の新人弁護士と比べて約二倍。でもそのまま上がりません。ビジネス弁護士のランキングのために、顧問先企業へ投票を働きかける弁護士もいます。労働事件を扱う弁護士は、たとえば組合と経営サイドといった依頼者を必ずどちらかに絞ります。でないとモラルハザードを起こしてしまいます。米国ではアンビュランスチェーサなどと揶揄される弁護士がいます。救急車にくっついていれば仕事は転がりこんでくるというわけです。弁護士は基本的には一匹狼。でも、弁護士会会長選挙時は、徒党を組んで動きます。あちこちでセミナー講師をつとめ、その謝礼で生計を立てているような弁護士もいます。そしてハウツー本を執筆し、その書籍内容で講演といった感じです。バラエティ番組に登場する弁護士さんは、弁護士の知名度を上げることに貢献したと思いますが、法曹界ではまったくの無名といっていいような先生方です。報道ステーションに出るような弁護士さんは、15秒で的確に万人受けするコメントを言う能力のある弁護士であり、必ずしもM&Aの実務に詳しいわけではありません。米国で弁護士資格を取得するなら、日本で法学部を出ることが前提ですが、まずロースクールに入ります。そしてL..LMという1年コースに入れば、米国司法試験の受験資格が得られます。いわゆる弁護士促成栽培です。米国ではNY州が外国人規制が少なく、このコースで受験する外国人が多いそうです。だから国際派弁護士とは虚像です。弁護士は本来、テレビ出演はしたがりません。理由はテレビの拘束時間が長いからです。弁護士は時間いくらで動いています。また、顔を売れることによるメリットはありません。弁護士の仕事は紹介者があって始めて受けるもの。だから顔を売れると危険な方からの仕事も入ってくるのです。 ●法科大学院で、学生を指導する立場にいますが、ロースクールの学生にはコスト意識があります。ただし、声高に権利主張をする学生もいます。法律は、大人の学問であります。礼節マナーを欠いての権利主張はありえません。法廷に裁判官が入廷すると全員が起立し頭を下げます。これは裁判官への礼ではなく、法の正義に尊敬の念を持って頭を下げるのです。だから、裁判官も頭を下げるのです。 ●司法試験は暗記だけでは合格しません。法の趣旨を基礎にどう考えるかが問われます。それと今後の法律家には、英語力も必須です。価値感をきっちり持っていること。その時代時代にしっかり自身の価値感を持たねば流されてしまいます。弁護士はよく六法全書をすべて覚えていてすごいなどと言われますが、そんなことは嘘っぱちです。判例も同様です。すべて知っているのではなく、どこにどのようなことが書かれているのか、その意味を知っているのです。 社会正義と人権擁護の実現に向けて活動していることと、紹介なければ事件を受任しない姿勢とは矛盾しているようにみえるかもしれません。だから、公的機関に法律相談所を置いています。無料です。ただ、公設相談所で受けた相手から仕事を請けることはできません。他の弁護士を紹介します。紹介なければ事件を受任しないとなると、何か法律相談したいときはどうすればいいのですかの質問がありました。その時には、地元自治体に法律相談所があるので、そこを利用してほしい。相談だけなら無料です。そこで、あたりをつけて、今後どうすれば良いか判断できると思います。弁護士はいい仕事?と言われると・・・・・努力した分、人から喜んでもらえる仕事だと思います。その意味では「いい仕事」だと思います。 なぜ極悪非道の犯罪者でも弁護する弁護士がいるのですか?という質問をいただきました。弁護士といえども受けたくないのが人情ですが、司法法制度というシステムを守る為に、そのような仕事も請けなければならない場合はあるでしょう。その場合、弁護士の家族も非難されるようなしんどい状況におかれることも理解しなければなりません。裁判で和解が多いのはどうしてでしょうか?世の中のトラブルは白黒をつけにくいことが大半です。でも裁判は白黒をつけるもの。だから判決がなじまないので和解のケースが多くなると思います。裁判官も白黒でなく和解を望むことが多いと想像します。良心+法律=裁判官です。 <以上、講演概要終わり> ★雑感聴講者に父親の姿は、ほんの数えるほど。本講演は、母親は勿論ですが、世のおやじが聞くべき、なんて思いました。あっというあっという間の二時間。 講師の菅原先生は32年生まれ。ウルトラマン世代。私と学生時代は、2年重なっており、神宮球場で会っていたかもしれません。とても親近感を持ちました。素晴らしい講演でした。 このような会をセットした教養委員会委員各位のご苦労は察するに余りあります。知的好奇心なくば企画できません。本当にありがとうございました。 赤羽俊一@PTA-OB会広報

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コメント

抜粋の記録は参考になります。
民事と刑事の違い等基本的な差異が有り
民間の窓口にいる無料相談の弁護士に聞く事が近道という事が解りました。
示談成立=和解。
和解は民事が多いですが刑事でも成立するのですね??
不動産の仲介業種と同様、弁護士も法律関連の仲介業種。使命感とポリシーをモットーに
熱血で活動していらっしゃる様子に安心しました。

投稿: 0123 | 2006年10月 2日 (月) 11時04分

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